7つのVision/使命(ミッション)
- 世界最高水準の医療を提供する。
- 患者さんを一生涯診る体制。
- 医療内容を世界に発信する。
- 世界最高水準のホスピタリティーを提供する。
- 向上心・情熱ある若手歯科医師・歯科衛生士が集まる歯科医院である。
- 変化に強い組織であり、働き甲斐のある仕事場である。
- 医療界に貢献し、リーダーシップを発揮する。
大阪府南部の貝塚市に、常に高い意識を持ち、医療界に貢献しようとしている歯科医師がいます。
医療法人 志結会 おざき歯科医院の尾崎亘弘理事長です。
尾崎理事長は若者の成長を全力でバックアップしていくことが将来の歯科医療の水準を上げることであり、自らのやるべきことだとして、「7つのミッション」を掲げています。
今回はそんな「ユニークな試み」をしている尾崎理事長に「若者を育てる方法」についてお話を伺いました。
私は最新の医療が「世界最高水準の医療」だと決して思っていません。「学会で認められた治療」「エビデンスのある治療」こそが「世界最高水準の医療」です。また、「世界最高水準のホスピタリティー」とは「おもてなし」です。やはり目標はリッツカールトンの「おもてなし」ですね。当法人でも、ディズニーランドのキャストの取り組みなどを参考にして、歯科医院でも活かしていけることをスタッフ皆で考えています。
「石の上にも3年」という言葉がありますが、自分がした治療を3年かけて見てみますと、良いところも悪いところも分かってきます。掛け持ちの勤務だと治療のやりっ放しになってしまいますね。担当医制で自分の治療の経過を丁寧に見ることが何より重要だと私は考えています。
世の中は常に大きく変化しています。チームメンバー全員が主体性を持って働き、常に環境の変化を感じ取り、その変化に対して、対応していけることが大切だと思っています。メンバー全員がその意識を持っていることが「変化に強い組織」と言えるのではないでしょうか。
私が思う「働き甲斐」は自分の仕事を通じて自己実現ができることです。どんなに良いアイデアを持ち、それを発信していても、そのアイデアが一向に実現しなければ、スタッフのやる気もなくなってくるでしょう。私たちはスタッフが物事や自分自身の仕事について考え、アイデアを出したことに対して、その実現をしてあげられるようにすることが大切です。思ったことが実現すれば、誰だって「やる気」も出るし、「働き甲斐」を感じるでしょう。
「医療界への貢献」については色々なことが挙げられます。学会やスタディグループでの発表もその一つですし、医療情報をウェブサイトやブログを通じて世界に発信することもそうでしょう。また、私たち理事長のすべきことは「若手歯科医師の教育」でしょうね。若手を育てることがまさに「医療界への貢献」です。最近では歯科医師会に加入していない方も増えていますが、私は歯科医師会などを通じた地域医療を行うことも大切だと思っています。
「リーダーシップ」を発揮する取り組みとしては、各メンバーがプロジェクトを持ち、ほかの歯科医院のメンバーを巻き込んで、自分のプロジェクトを実施するといった取り組みをしています。ほかの歯科医院のメンバーを巻き込むのはとても難しいことですが、実際にこれができたら大きな自信に繋がりますよね。特にサーバント・リーダーシップに則って行うことを推奨しています。もちろん、私自身もリーダーシップを学んでいますよ。
「最近の若者」と言っても、3年前は私自身もまだ勤務医でした。歯科医師になって10年、年齢的にもまだ30歳半ばです。多くの経営者の方々からしたら、私もまだ若造ではないかと怒られそうです。最近は「ゆとり世代」と言われる世代になってきていますね。あまり働きたくないとか、仕事と生活のバランスを両立したいと考えている人は昔に比べたら多いのではないでしょうか。でも、皆、真面目ですよね。真面目だからこそ、診療についても真剣に向き合っているし、自分の生活についても真面目に考えようとしているのだと思います。私からアドバイスできるとしたら、本当に実現させたい夢を持って、目標を立て、毎日を大切にしてほしいということです。私たちの時代と違うことは女性の歯科医師が多くなってきたことです。理事長の立場としては、女性歯科医師が家庭と仕事を両立して安心して働ける職場作りを早急に考えなくてはいけません。当法人でも大きな課題として、スタッフが働きやすい環境作りに取り組んでいます。
「見て覚えろ!」の時代に生きてきた先生方からしたら、最近の若い先生は「受け身」だと感じるかもしれませんね。でも私は「受け身」の先生が多いとはあまり感じていません。私の母校が研修や学生教育に対して積極的に取り組んでいたこともあって、そういう意味では私自身も「受け身」の世代のように、至れり尽くせりの研修や教育を受けてきたともいえるかもしれません。でも、今の若手歯科医師がどういったカリキュラムで成長していけるのか、求めるものを明確にして聞いてくるというのは真面目さの表れですし、素晴らしいことですよ。私はその姿勢は評価しますね。成長は本人の意志であり、成長をサポートする環境作りは法人の仕事だと考えています。そこで、当法人では卒後の研修カリキュラムを完備しています。3年ないし、5年の研修カリキュラムを組み、一人前になれるように手厚くサポートしています。
具体的にお話しすると、当法人では試用期間が過ぎ、4カ月から6カ月ぐらい経った時点でやる気を感じられ、一人でも治療に当たれるという合格点が出たら、担当患者さんを持ってもらいます。2017年の実績では、研修終了後1年目の歯科医師で1日およそ10人から25人の患者さんの治療を行っています。当法人では患者担当医制をとっていますので、自分の患者さんを丁寧に診てもらうようにしています。
確かに技術系の歯科医院やあまり患者さんの来られていない歯科医院では若手歯科医師があまり患者さんを診ることができません。でも技術の向上のためには担当患者さんを持って、一つ一つの治療内容と誠実に向き合ったうえで、一定以上の症例数を診ることが必要です。3回しか埋伏智歯抜歯をしたことがない人と、100回したことのある人では技術の差は歴然だからです。当法人は開業してまだ3年ですが、お蔭様で多くの患者さんから支持されており、来院していただけています。そういう意味では経験できる回数は多いと思いますよ。
保険治療が一通りできるようになったら、インプラントを学びたいという方もおられますよね。その気持ちは私もよく分かります。治療のオプションは豊富にあった方がいいですね。自分のできることを増やすことは患者さんにそれだけ良い医療を提供でき、安心してもらえる材料になります。私はインプラント治療は現在の歯科医療において有効な治療オプションと捉えています。これまでのブリッジや義歯だけでは治療後のリスクを残す場合もあるからです。例えばもし臼歯を一歯欠損してしまった場合、綺麗な隣在歯を削ってブリッジにしますか。私なら迷わずインプラント治療を選択するでしょうね。自分自身がしてほしい治療を、自分もできるようになるというのは重要なことです。
当法人では世界的に実績のあるストローマンインプラントシステム、オステムインプラントシステムを導入しています。若手の先生方にも是非インプラント治療を自分の歯科治療のオプションにしてほしいと思っています。当法人ではインプラント治療未経験でも一から学ぶことができる体制を取っています。院内や院外での研修の受講、院内での実習など、インプラント治療をスタートする環境を揃えています。具体的にはストローマンインプラント1Dayセミナー受講補助やオステムベーシック半年コース受講補助などを行っており、院内模型実習、日常業務での症例カンファレンスでのインプラント治療におけるディスカッションなども頻繁に行っています。その後、シンプルなインプラント症例からスタートしていただくなど、順を追って無理なく身につけられるカリキュラムを組んでいます。
当法人では根管治療にも力を入れています。なぜかというと、歯の保存治療は長期的に安定する補綴治療のベースになるからです。根管治療がきちんとなされていないと、長期的予後を診ることはできません。当法人では必要に応じて最新のCTを用いて診断を行うことができます。マイクロスコープも導入予定ですので、歯内治療を行うこと、防湿を確実に行うことが実践できます。歯科医師は全員ルーペを使用して拡大治療を行っていますし、NiTiロータリーファイルシステムを全面的に導入しています。NiTiロータリーファイルは作業効率の面で非常に有効なツールと考えていますが、破折のリスクや切削効率の高さから根尖部のマイクロクラックの発生リスクを伴います。そのため、院内模型実習、抜去歯牙練習を行って、深く学んだ後で、操作について学習してもらっています。
矯正担当医と矯正の診断ディスカッションを行っていただくことができます。当法人ではセファロレントゲンを導入して、セファロ分析(リケッツ)を行ったうえで、矯正治療を行っています。また、MRC認定クリニック(2018年申請中)として、小児矯正にも力を入れています。矯正治療に興味のある先生にはともに分析や治療を学んでいただくことができます。
当法人では予防のための歯科衛生士専用チェアが5台あります。ダイアグノデントシステムを使用して、「う蝕診断」を行ったり、唾液検査でリスク評価、リスク管理、予防、早期発見早期治療を行っています。こういった予防プログラムによって、歯科医師は予防に対し、歯科衛生士と一緒にどのように関わっていけばいいかを学ぶことができます。患者さんのデンタルIQを高め、予防に取り組んでいただければ、それが歯科医師の行う治療効果を長く持たせることに繋がります。
将来への道は大きく2つあります。「独立開業を目指す」ことと「長期安定雇用を目指す」ことです。当法人ではその両方を実現できるような制度作りと実務教育を行っています。日本の人口は減少していますが、歯科医師数は増加しており、一人が診る患者数は減ってきています。そういった中で、今後開業するのはかなり難しくなるでしょう。「自分の城」を持つということは自身の働く場所を確保するということではありません。自分の目指す臨床、組織マネージメント、マーケティングを自分自身が本当にしたい形にするということではないでしょうか。そのためのリスクはあります。将来の自身の働く場所を確保したいから開業するというのであれば、止めておいた方が良いでしょうね。安定した収入の確保が得られる医療法人で終身雇用的に働く方が良いと思います。臨床で一流と言われている先生の中には長年、勤務医として働かれている方も多くおられます。それは自分のしたい臨床にだけ打ち込むためです。
開業したら、臨床だけでなく、組織の長としての組織マネージメント、リーダーシップ、スタッフの人事関係、毎月の会計管理や財務的な仕事など、多岐に渡る業務に自分の時間と労力を割く必要が出てきます。また、そういった経営に向く人、向かない人もいます。当医療法人では、開業を希望される方には開業に必要なあらゆる能力の育成を全面的にバックアップしていますし、開業を希望されない方には安心して長期勤務していただけるような体制を整えています。
もちろんしています。歯科医師だけが主役ではありません。歯科医院はそれぞれのメンバーが輝く舞台で、働く人一人一人が主役だと考えています。年間目標を皆でシェアすることで、メンバーのしたいことができるように応援し、個人の自己成長を促せることを意識しています。
具体的には【テクニカルスキルの向上】として、2018年は歯科衛生士を対象に、山本浩正先生のPEC衛生士コース受講の支援や歯科助手を対象にトリートメントコーディネーター研修支援を行っています。【ヒューマンスキルの向上】としては、全メンバーを対象に2カ月に1度、院内で接遇研修を行っています。また、自己成長を促せるよう、正社員を対象に外部スタッフ研修の参加支援も行っています。【コンセプチュアルスキルの向上】としてはチーフクラスメンバーにはチーフ研修参加支援を行っています。
歯科医師というライセンスをとった以上、その道で一人前になる、そこに職業人としての働き甲斐、働いた対価を得ることは非常に大切です。まずは歯科医師として一人前を目指し、知識と技術と考え方をしっかり持てたら、どこでも通用するようになります。そこで、一人前になるための王道があります。これは私自身が勤務医として実践してきたことをまとめたエッセンスです。また、どこかで話ができればと思っています。
これらを実行していくと、一人前の歯科医師として活躍できるでしょう。
また、若手歯科医師をサポートするメンター(師匠)も重要です。このような意識を持ったメンターを探しましょう。皆さんが思っている以上に、ついた師匠の影響というのは大きいものです。
先輩歯科医師となったら、指導者としてこれらを意識し、後輩を指導してほしいと思います。
ありがとうございました。
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