歯科経営者に聴く(後編)
~第一線で活躍する理事長から学ぶ~
京都市の西大路通は市街地西部を南北に貫く大動脈であり、多くのバス路線のほか、三条通との交差点には京福電気鉄道嵐山線の西大路三条駅があるなど、交通至便な通りである。
たかもり歯科医院はその西大路三条駅から徒歩1分の場所にある。京都市営地下鉄東西線西大路御池駅からは徒歩5分、阪急京都本線西院駅からも徒歩7分という立地に恵まれ、「新しい当たり前」を追求する歯科診療を行っている。
今月は先月に引き続き、たかもり歯科医院の高森博一院長にお話を伺った。
医療法人 博愛会 たかもり歯科医院 高森 博一 院長
【プロフィール】
- 1978年 滋賀県 生まれ
- 2004年 明海大学 卒業
- 2005年 京都市内の歯科医院 勤務
- 2010年12月 たかもり歯科医院 開院
- 2015年7月 医療法人博愛会 設立
【理念・治療スタイル】
経営理念を教えてください。
経営理念は「喜ぶ人を増やす」ことです。「全社員の物心両面の豊かな人生を実現し、ありがとうから患者さんと社員の嬉しさ・喜び・幸せをつくる」ことを大事にしています。
診療方針を教えてください。
「一度治療したら二度と治療しなくていいように治療する」ことをモットーとしています。この考えに至ったきっかけは山形県の熊谷崇先生のセミナーを受講したことです。歯科医師会では8020運動を展開していますが、熊谷先生は「どうせ残すなら、28本全部を残す方が良くないですか」とおっしゃっていて、この考えに賛同しました。そこで、私どもの方針として「死ぬまで自分の歯で生活できる口腔内を提供する」を掲げ、診療しています。
ほかの歯科医院との差別化について、お聞かせください。
突拍子のないことをするのはなかなか難しいので、スタッフのサービス精神や対応力をより強化していきたいと思っています。
患者さんからはどのような問い合わせが多いですか。
主にメンテナンスの問い合わせですね。それから、ホワイトエッセンスを取り入れているので、それに関してのご連絡もあります。地域柄、幅広い年齢層の様々な方がいらっしゃいます。
増患対策について、お聞かせください。
ホームページで情報をしっかりと発信していくことです。そして、来院された方お一人お一人にしっかりと向き合い、「今、あなたの歯はどういう状態なのか」「どうして痛みがあるのか」ということを細かく、詳しく、きちんと説明することで、患者さんから信頼していただけるように心がけています。
【スタッフ採用・教育】
スタッフの育成や教育をどのように行っていますか。
週に1回、きちんと時間を取り、それぞれの課題に対しての練習をさせています。今年度からは月に1回の午前中に知識を増やすための勉強会も始めました。また、ミーティングに関しては丸一日を費やし、歯科医院全体の課題やスタッフそれぞれの課題を話し合う時間を作り、コミュニケーションを取っています。
スタッフが働きやすい環境づくりのために工夫されていることはありますか。
昼休みを2時間確保していたり、19時30分までに退勤できるようなスケジュール調整をしていることですね。また2階のワンルームをスタッフルームとしているのですが、これは狭いところで毎日の着替えをしないといけないのはストレスになるので、小さいことであっても、そうしたストレスを避けるために借りたものです。セミナーなどに行くときは皆で食事をしてコミュニケーションを取ることもあります。現在は状況的に難しいのですが、社員旅行先を皆で決め、これを達成したら、ここに行こうとモチベーションを上げる工夫もしていました。
【今後の展開】
今後の展開について、お聞かせください。
このほど、たまたまご縁をいただきまして、福岡市内で分院を展開することになりました。これまで分院展開を考えたことはなかったのですが、このお話を頂戴したことで、医療法人博愛会として、京都だけでなく、色々な地域で展開できれば、幸せになる人を増やせるのではないかとチャレンジすることにしました。近場ではなく、京都から離れた福岡という地で展開するにあたっては地域柄や文化の違いがあるはずですが、逆にそれがお互いに良い刺激になればと思っています。
【開業に向けてのアドバイス】
転職や開業を考えておられる先生方へアドバイスをお願いします。
歯科医師として言うのであれば、患者さんのことを一生懸命考えられる歯科医師になってほしいというのが一番です。開業するということで言うのであれば、「人」の成長が必要になってきますので、その部分をきちんと見られる歯科医院を目指してほしいと思っています。
【最後に】
趣味や余暇の過ごし方をお聞かせください。
家でだらだらしたり、ゲームをすることが多いです(笑)。でも、旅行やイベント、コンサートに行くことも好きです。最近は知り合いの方にキャンプに連れていっていただきましたし、ダイビングに行くこともありました。わいわいと和やかに過ごすことが好きな人とは同じように一緒に楽しみたいという気持ちをいつも持っています。