歯科経営者に聴く(前編)
~第一線で活躍する理事長から学ぶ~
埼玉県朝霞市は埼玉県南部の荒川から武蔵野台地に広がる市であり、かつては川越街道の膝折宿として賑わった宿場町でもあった。
安藤歯科・ORCインプラント矯正センターはORCインプラントグループの中の歯科医院である。
最先端のインプラント治療であるAll-On-4を導入するなど、「患者様総女優化計画」を掲げた歯科医院にふさわしい診療内容を揃えている。
今月と来月の2回にわたり、安藤歯科・ORCインプラント矯正センターの安藤琢真院長にお話を伺った。
医療法人社団 新正会 安藤歯科・ORCインプラント矯正センター 安藤 琢真 院長
【プロフィール】
- 1985年埼玉県 生まれ
- 2010年昭和大学 卒業
- 2010年南カリフォルニア大学歯学部客員研究員 就任
- 2014年昭和大学客員講師 就任
- 2014年IDIインプラント安心基準ミドルマネージャー 就任
- 2015年インディアナ大学歯学部インプラントコース 修了
- 2015年インディアナ大学歯学部フェロー 就任
- 2017年ORCインプラント矯正センター 院長就任
開業に至るまで
歯科医師を目指されたきっかけはどのようなものだったのですか。
父が歯科医師だったのが大きいです。静岡の分院は診療所と住居が一緒になっていましたし、歯科医師や歯科技工士といった職業が私にとっては身近でした。
ある時期に建築の仕事に興味を持ったこともありますが、患者さんに喜んでいただけている父の姿を見て、クライアントとの距離が近い歯科医師の仕事はやはりいいものだと気づきました。
クライアントの声を間接的にしか聞けない職業に比べると、直接、接することができるのは歯科医師のいいところだと思います。
学生時代に思い出に残っていることはありますか。
ゴルフ部に入っていました。そこでは先輩後輩との付き合い方を身につけましたが、これは今も役に立っています。
一方で、私は趣味を通して、学外の方たちとのお付き合いを活発にしていました。
40代や50代の方々との交流から得られたことは大きかったですね。
卒業後は留学されたのですね。
卒業後は半年ほど南カリフォルニア大学に留学し、その後は研修医として、一般治療を学びました。
将来は父の歯科医院を継承することになっていたのですが、当時の私には経営能力がなかったので、早く仕事を覚え、経営能力も身につけないといけないと考えていました。
継承まではどのようにお過ごしだったのですか。
4年ほど一般歯科を学び、安藤歯科・インプラントセンター東京で院長を務めました。こちらは板橋区の高島平にあり、今いる安藤歯科・ORCインプラント矯正センターよりも規模が小さいのです。
いずれ理事長になるのだからということで、まずは小さめの分院で経営の勉強をすることになりました。
インプラントセンター東京に2年ほど勤務して、埼玉県朝霞市の安藤歯科・ORCインプラント矯正センターの院長に就任しました。
こちらで院長職に就かれたときの立地などの印象をお聞かせください。
こちらはインプラントをしていこうということで、私が学生のときにできた歯科医院です。
開業してから既に10年ほど経っていましたが、改めて見てみますと、転勤族が多く、人の入れ替わりが激しい土地柄ゆえに、将来性が高いと思いました。
埼玉県の中では東京に近い場所の一つですし、発展しているベッドタウンと言えるでしょう。
ただ、難点は駅から遠いことです。東武東上線や東京メトロ有楽町線の和光市駅からも、東武東上線の朝霞駅からも徒歩15分ほどかかります。
その問題は送迎サービスをすることで解消し、歯科医院の特殊性を強め、私どもしかできないことを打ち出すことにしました。
院長職に就くにあたってはどんな苦労がありましたか。
スタッフ管理でしょうか。私が介入すると良くない結果になることをインプラントセンター東京で学んだので、こちらでは介入せず、スタッフが働きやすい環境作りに努力しました。
その結果、離職率が低くなり、若いスタッフが育ってくれるようになってきました。
院長職に就くにあたってのコンセプトなどをお聞かせください。
「ここでないと駄目」と思っていただけるような特色のある歯科医院にすることです。
また、スタッフ間の空気は患者さんに伝わりますので、スタッフ間の雰囲気が良い歯科医院にしたいとも考えました。
設計、レイアウトの工夫などをお聞かせください。
患者様はもちろん、スタッフにとっても居心地の良い空間になるように設計しました。
3Fフロアには、2つの手術室、大型の歯科用CT、回復室、研修室を設置しています。
患者様が安心して手術を受けられる設備、充実した研修が行えるレイアウトになるよう工夫を凝らしています。