歯科経営者に聴く(前編)
~第一線で活躍する理事長から学ぶ~
東京都世田谷区深沢1丁目は駒沢オリンピック公園の南側に位置する住宅街である。グリーンアップル自由が丘歯科医院は目黒通りに面し、産業能率大学と向かい合った場所で、インプラントなどの先進医療に力を入れている歯科医院である。
今月と来月の2回にわたり、グリーンアップル自由が丘歯科医院の森田俊介理事長にお話を伺った。
医療法人社団 耕陽会 森田 俊介 理事長
【プロフィール】
- 1979年神奈川県 生まれ
- 2003年鶴見大学 卒業
- 2004年鶴見大学歯学部第一口腔外科 入局
- 2007年都内某総合病院 口腔外科医長
- 2009年グリーンアップル歯科医院(大森) 開院
- 2011年医療法人社団 耕陽会 設立
- 2012年グリーンアップル目黒歯科医院 開院 / マンザナデンタルラボ目黒 併設
ホワイトエッセンス洗足店 - 2014年グリーンアップル町田歯科医院 開院 / ホワイトエッセンス町田店
- 2015年グローバルマネージメント部門 発足
- 2016年 グリーンアップル自由ケ丘デンタルクリニック/インプラントセンター 開院
マンザナデンタルラボ自由が丘 併設
ホワイトエッセンス深沢店 - 2016年グリーンアップル吉祥寺歯科医院 開院
ホワイトエッセンス吉祥寺店
開業に至るまで
歯科医師を目指されたきっかけはどのようなものだったのですか。
小学生の頃に人の役に立ち、ありがとうと言われる仕事に就きたいと考え、歯科医師を目指しました。早く独立できる仕事であることも良かったです。
学生時代に思い出に残っていることはありますか。
早く働きたいと思っていましたので、レストランでアルバイトをして、厨房で料理を作ったり、ホールで料理を運んだりしていました。アルバイトでは人間関係の大切さを学べましたね。また、中学校、高校とバレーボールをしていたので、大学でも続けていました。
勤務先として、大学を選ばれたのはどうしてですか。
早く開業したかったので、口腔外科を勉強しようと考えたからです。2年ほど関連病院に勤務し、手術の経験を積みました。その一方で、一般歯科も学びました。その関連病院は2人体制でしたので、365日、回していく力を身につけました。
最初は大森で開業されていますが、そのきっかけをお聞かせください。
20代で開業したいということだけ考えていたので、場所はどこでも良かったのです(笑)。大森の開業地は身内が借地にしていたところでしたので、そこに建物を建て、テナントで入りました。最初は歯科衛生士もいなかったので、私が何でも受け入れてやっていこうと思い、診療時間を長くして、夜中まで診ていました。歯科医院の上に住み、歯科医院用の携帯電話を持ち、24時間体制で頑張っていました。
自由が丘に分院を出そうと思われたのはどうしてですか。
ほかの分院から遠くない場所でしたし、自宅から洗足の分院に行くときに通っている道沿いということもあり、このあたりに出したいと考えていたところ、物件を見つけました。介護の事業所が入っていた物件で、理想通りのスペースが確保できそうでした。
こちらの場所の第一印象をお聞かせください。
この場所に関しては広さが最優先だったので、第一印象は良かったです。ここではインプラントなどの口腔外科で静脈内鎮静法もしたかったので、特殊性、専門性を追求するための手術室を作りたかったのです。広さを最優先させるとなると、駅からは遠くても仕方がないと考えていました。
開業にあたってはどんな苦労がありましたか。
こちらを開業しようと動いていたら、吉祥寺に分院を出してくれと頼まれたので、吉祥寺の分院と同時並行で進めることになり、資金繰りが大変でした。
開業にあたってのコンセプトなどをお聞かせください。
特殊性を持つことに加えて、教育環境を整えることです。そのため、研修室を作り、ミーティングなどの教育の場にしています。これまで人が集まる場所を持てなかったし、外部の会議室を借りるのも手間がかかっていたので、これからはさらに有効活用していきたいです。
設計、レイアウトの工夫などをお聞かせください。
待合室を2室、作ったことがこだわりです。1つはメンテナンスやホワイトエッセンスで来られた方の専用の待合室です。お蔭様で患者さんにも好評をいただいています。