歯科衛生士 女子会　2017年8月24日（後編）｜e-dentist

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歯科衛生士は有給休暇が取りにくいとよく言われますが、有給休暇についてはどうですか。

全員

取りたい！

A.K

取りたいし、取れるように変えました。私が勤務しているところはもともとは有休は半休消化だったんですよ。丸一日休むことがダメで、できなかったんです。
院長の考えとしては、土日が休みだから、平日に半休を取れば週休2.5日になるので、体力的にはそっちの方が楽じゃないかっていうものだったんです。有休10日も半休にすれば倍取れることになりますし。
でもスタッフの意見は土日休みの週休2日でいいから、有休は自由に1日取りたいというものの方が多かったんです。ただ、1年目からそれをするとややこしくなるので、何年も働いて、長く頑張ってくれた子には自由に取らせるという形に変えました。
1、2年目のまだちょっと頑張らなあかんよっていう若い子は土日と平日半日休みの週休2.5日が月4回あるんですけど、5年以上勤務した子であれば、自由に好きなときに休んでいいという形になりました。
歯科衛生士が長く勤務する環境を作らないとと思います。入っては辞め、入っては辞めだと周りもしんどいので、長くいてもらうためにはどうしたらいいかなということを考えています。

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どうしてすぐに辞めるのでしょうか。

A.K

特に何か問題があるわけではないけど、漠然ともう3年たったから、ほかの歯科医院も見てみたいですという子たちも結構多いですよね。もしくは院長と合わないとか。

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院長のこういう態度が嫌というのはありますか。

Y.I

自分の技術的な部分で、できたか、できていないかが分からないのは不安ですよね。やはり「できた」ときは言葉で「できてるよ」って言ってほしいし、「できていない」ときは、どこがどうできていないか教えてほしいです。

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オープニングスタッフってどうですか？

Y.I

出来上がっているという意味では長く開業している医院のほうが楽ですよね。
オープニングだと物のありかも自分たちで決めていかないといけないし、必要な道具はある程度揃っていますから、細々としたものが足りないことが多く、そのたびに院長に許可をもらわないといけないというやりにくさはありますよね。

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ところで、結婚したり、妊娠すると、歯科医院では働きにくいですか。

R.T

そうですね。診療の終わり時間や勤務時間の長さがやはりきついです。
患者さんも診ないといけないんだけど、自分の身体の都合もあるので、そういう融通が利くところならいいなとは思います。

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最近は女性スタッフに対しての待遇がすごく良くなってきたのではないですか。

R.T

今、勤務しているところは結構、融通を利かせてもらっています。朝2時間とか、ほんのちょっとしか働いていないんですけど、そういう勤務時間でも働かせてもらえているので、助かっています。でも、担当制のところは難しいでしょうね。

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担当制は常勤で働いている人にはいいですが、非常勤で働いている主婦の方や子育て中の方には嫌がられますね。子どもが熱を出したりしても、担当制だと休みにくいと言われます。

H.M

私は空いた時間に知り合いの先生のところに手伝いに行ったりしているんですが、そこは担当制ではないので、行きたいときに行っています。
行けば患者さんがいますし、そのときだけはその患者さんとコミュニケーションを取り、衛生士業務をひたすらやって、時間が来たら終わりです。
いい意味でも、悪い意味でも、私がいたら助かるだろうし、いなければ違う人がするだけですから、自分の患者さんだという意識はもちろんありません。自分の仕事メインで生活している人でないのなら、そちらの方が動きやすいでしょう。
正社員で働こうと思ったら、担当制の方が遣り甲斐もあるし、ステップアップにもなります。任せてもらえることで、勉強しないといけないこととか、足りないところも分かります。この患者さんに説明するのなら、これは勉強しておこうとか、そういう意味でも自分が興味を持って、勉強するきっかけになります。1年目などの何も分からない人にはその方がいいですね。
でも、ある程度、仕事をして、知識や技術もあり、自信を持って衛生士業務ができるようになると、結婚して、出産したあとに、知識のベースを見直すことがあっても、一から勉強しようとはなかなか思わないです。そうなると担当制ではない方がいいです。家庭での生活を一番大事にしたいのであれば、担当制での遣り甲斐にこだわる必要はないでしょう。

e-dentist

ベテランの衛生士さんから若い衛生士さんに聞きたいことはありますか。

H.M

さきほど衛生士の基本業務とP処とかの勉強会に行きたいと言っていましたが、院長とかチーフが勧めるセミナーと自分がやりたいと思っているものとのギャップがあった場合、強制的に行かされているという気分になると思うんです。
新人の方からこういうセミナーに行きたいって言えるような機会があればいいですよね。1年目の子が行きたい勉強会って、5年目の子とは全く違うものでしょう。どういう勉強会に行きたいですか。

A.S

1年目なので、しっかり基礎を学びたいです。P処とかPMTCとか、今のうちに色々なことを学んでおきたいです。

A.K

知識より技術の方が気になるんですか。臨床では技術と知識って、合わさるんです。分かりやすく説明するためにはバックに知識を吸収していないといけません。そういうのを気にしているのか、そもそも技術としてここにある歯石が取れないとか、そういうことが気になるのでしょうか。

A.S

どっちも…（笑）。

Y.K

私は最近、担当の患者さんを持つようになりました。
10年以上歯医者に行っていませんという患者さんが来られて、歯石だらけだったんです。歯石を取って、歯茎の状態も良くなっていったんですけど、染色をしてみると、状態的にはあまり良くなっていなくて…。
私が歯石を取っているだけで、改善はしているけど、それ以上の改善は見られなかったんです。歯磨きが上手になっていなかったんですね。そういうのを見ると、私の言えることはもっとあったんじゃないかなと思いました。
私の説明がうまくできないから、改善が見られないということかなと。知識もあまりないので、うまく患者さんに伝えられないもどかしさがあります。

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ベテランの歯科衛生士さんとして、そのあたりはどうですか。

A.K

うちでは衛生士に教えるときに、ロールプレイングをするんです。
技術はマネキンを使って練習しますし、技術に関してはコツを教えてあげたら、あ、そうかとなるけど、患者さんと喋るのは慣れないと無理な部分も多くあります。自分が知識をちゃんと吸収していないと話せないんです。
そこで、「言いたいことをまず文字にしてみて」と言っています。文字に書いてもらって、「じゃ、これどういうこと」と質問しながら、実際の会話に繋がるような練習をしています。

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アンケートを見ていても、コミュニケーション能力を向上させたい人が多いんですよね。もちろん技術もなんでしょうけど、理解はしているんだけど喋れない、うまく説明できないということに悩んでいるようですね。

M.S

うちは基本的に小児歯科なんです。だから、どこまでその子自身に言えばいいのかが分からなくて。「頑張ってね」としか言えないというか、どうやってお子さんに言えばいいのか、もしくはお母さんに伝えるのがいいのか、悩みますね。

H.M

子どもの年齢にもよりますよね。うちのクリニックでは「小学校を卒業するまでは仕上がりをチェックしてあげてください」と、お母さんに言っています。
小学生も高学年になってくると、その子自身の理解力もかなり上がってくるので、理解できるなと思う場合は本人に説明したりもしています。
幼稚園児はやはりお母さん中心になりますね。徐々にその子自身に言う部分を増やしていって、6年生ぐらいになったら、その子にしか言わないかな。
お母さんには目的などを説明して、「こういう道具を買ってもらいたいんです」と言いますね。お母さんのキャラにもよるけど。

e-dentist

小児はそこが難しいというのは聞いたことがあります。お母さんとのやり取りとか…。

全員

うん、うん（納得）。

e-dentist

歯科衛生士さん目線で、サイトを見ていて、どういう記事があったら楽しいなとか、見ようと思いますか。

H.M

皆の給料の使い道とかは気になります。これから働こうと思っている子が見ても面白いかなと思います。

A.K

確かに。「へぇ、こんな感じなんだー」という現状を教えるって、面白いと思う。ちょっとした私生活やライフスタイルとかも知りたい。
身近にこういう人もいるんだって知ったら、私も頑張ろうって思ったりしますよね。その人の写真とかエピソードがあると、私は結構読みますね。刺激にもなるし、憧れにもなります。
同じ衛生士でもこういう世界もあるんだと知ると、それはそれで面白い。

H.M

私の周りはほとんど診療所で働いている子ばかりなので、病院で働いている衛生士さんの一日はどういう流れで、どういう仕事をしていて、どういう患者さんを診ているのか、知りたいです。
学会に行っても、病院で働いている衛生士さんの症例はないよね。外科のアシストとか、そういうイメージしかないし。衛生士業務はやっていないのかなって、色々想像してしまいます。
病院で働きたいなと考えたことある人って多いと思うんですよ。

A.K

ある、ある。私も思ったことある。

H.M

海外で衛生士として働いている人がいるんだったら、その人がどういうことをしているのかとか、それに向けて、どれくらいお金を貯めたのかとか、どんな勉強したのかとかも知りたい！

A.K

どうやったら行けるのかとかね。

H.M

知り合いの衛生士さんで大学院に行かれている方がいるんですけど、普通に働いてもいるんです。多分、どこかの時間を使って、大学院に行かれているんですよ。研究もされているし。

A.K

そう、その1日、1週間ってどんな感じなんだろうって知りたいよね。

Y.I

時間の使い方は確かに気になる。

A.K

私も今は頑張っているけど、この頑張りを一生は続けられないだろうなと思って、あと2、3年ぐらいで一回、結果を出さないとダメかなって考えたりもするんですよね。

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結果を出すって、どういうことですか。

A.K

一区切りつけるところまで自分を持っていきたいなというか。

H.M

誰かにこう言われたりとか、評価されたりとかじゃなくて、自分で納得できるところまでってことかな。

A.K

そうそう。自分が納得できる区切りかな。あと数年で到達地点までやりたいなと思う。じゃあ、その後はどうするのかなって思ったりするんですよね。先輩衛生士さんたちは皆、どうしているのかなって知りたいですよね。

e-dentist

ということで、そろそろお時間がきてしまいました。今日は短い時間でしたが、とても楽しかったです。ありがとうございました。
また、歯科衛生士さん目線のお話を聞かせてくださいね。