【第11回】 患者さんに選んでもらえるクリニックになるには
高井悦子 (たかい えつこ)
- 出身:
日本歯科大学附属歯科専門学校 (現日本歯科大学東京短期大学)
企業歯科診療室勤務後、結婚・出産にて3年ほど休職。
その後企業検診、クリニックへのパート勤務、地域歯科保健に従事。
フリーランスとして一度に数件のクリニックに勤務の傍ら、専門誌への登壇、セミナーや企業への企画提案を行っている。
日本歯科衛生士会会員・日本審美歯科学会会員。
U→ウキウキW→ワクワクお仕事を楽しんでK→キラキラした人になる。
そんな前向きな気持ちを持つ歯科衛生士さんを増やしたくて『スマイルブランUWK』を発起。現在チームリーダーを務めている。
皆さんはお仕事中、患者さんへの接し方に気をつけていますか?
私たちは医療従事者なので行き過ぎた過剰なこころ遣いは必要ないと思うのですが、ある程度節度を持った対応を心がけないと患者さんに不安を与えてしまうと思います。
皆さんのクリニックでは言葉遣いや立ち居振る舞いのマニュアルなどはありますか?
せっかく憧れの歯科衛生士さんになったのですから、患者さんに好感の持ってもらえる印象を与えられるようなちょっとカッコイイ女性を目指してみませんか?
マニュアルなどを作り、普段から皆で共有してお仕事中くらいはメリハリをつけて使いこなせるようになると良いですね。
私たちが働くクリニックはほとんど女性で多くをしめていると思います。自分より先輩であっても後輩であってもお互いの良いところを見つけ合い、その部分をまねしながら自分を成長させても良いですよね。
患者さんは皆さんのクリニックに何を求めて来院するのでしょうか? 高級店のようなこころ遣いですか?ファミリーレストランですか?
初診の患者さんで考えてみましょう。 クリニックは正直来たくないけど、痛みがあるのでしかたなく恐々我慢して来院しているのかもしれません。
そんな時、私たちはそれぞれの立場で患者さんを迎えいれることになりますよね。やっている仕事の内容も違いますが、受付・歯科助手・歯科衛生士・歯科医師が気配り心配りができて、患者さんとうまくコミュニケーションがとれ主訴の解決ができ安心することができれば次回への来院と繋がるのではないでしょうか?
先生を待っている間のスタッフ同士のひそひそ話や、大きな音を立てることは緊張している患者さんの不安感を増幅し、さらに緊張を促してしまうことになりえます。
そんな残念なことにならないためにも、一度、院長先生を含めてスタッフ全員で言葉遣いや立ち居振る舞いについて話し合ってみはいかがでしょう?
皆がバラバラなイメージを持っていたのではクリニックとしての統一感がなく、患者さんも気持ちよく治療が受けられないかもしれません。
何よりも患者さんが治療に来て、不安を感じてしまうことは避けなくてはなりません。
逆をいえば、患者さんが来院したくないと思わせることは簡単かな?と思います。 『名前を間違える、説明がない、平気で待たせる、スタッフの態度が横柄、話を聞かない・遮る、クリニック内が不潔…』などあげるともっと出てくると思います。
患者さんにあれこれとやるべきことマスターするのは大変でも、やってはいけないことを徹底した方が、実は簡単で短期間で効果が高いのではないでしょうか。
まもなく新年を迎える時期ですし、患者さんと信頼関係を得られるクリニック作りをしてみませんか?