ウキウキ・ワクワク・キラキラ

【第4回】緊急時の口腔ケア

高井悦子

高井悦子 (たかい えつこ)

  • 出身:
    日本歯科大学附属歯科専門学校 (現日本歯科大学東京短期大学)

    企業歯科診療室勤務後、結婚・出産にて3年ほど休職。
    その後企業検診、クリニックへのパート勤務、地域歯科保健に従事。
    フリーランスとして一度に数件のクリニックに勤務の傍ら、専門誌への登壇、セミナーや企業への企画提案を行っている。
    日本歯科衛生士会会員・日本審美歯科学会会員。

    U→ウキウキW→ワクワクお仕事を楽しんでK→キラキラした人になる。
    そんな前向きな気持ちを持つ歯科衛生士さんを増やしたくて『スマイルブランUWK』を発起。現在チームリーダーを務めている。

昨年の震災から一年が経ちました。

東日本大震災でも、1995年に起きた阪神大震災の時に誤嚥性肺炎(下部に説明)
によって多くの方が亡くなった教訓を生かし高齢者の口腔ケアが重要と叫ばれていましたね!

被災地では全国の歯科医師や歯科衛生士らが力を合わせ、被災者の方々の口腔ケアや歯科治療を行なったことは記憶に新しいと思います。
私の知り合いの方々も現地に赴き活動をされていました。
このコラムを読まれている方の中でボランティアに行かれた方もいらっしゃるかもしれませんね?

最新の研究で歯周病が糖尿病などさまざまな全身疾患と関係しているということが判明して来たので、以前よりも震災などの時の災害時の口腔ケアがクローズアップされていたのではないでしょうか?
誤嚥性肺炎になりやすいのは、高齢者や体の不自由な方や喫煙者などに起こりやすいのが特長とされています。

また、被災地ではお水も貴重となります。
歯ブラシがあってもどのようにお口のケアをすれば良いのでしょうか?
私たち歯科衛生士は知っていて無駄にはならないので紹介したいと思います。
部署の会話が、入った人や入る前に人に対して、いつ辞めるか、どのくらいもつか。まだ入ってもないのに、2週間もたないとか。

1.歯ブラシが手に入らない時

指にきれいな布を巻いて歯を拭くようにします。
ちょうどまだ乳歯が生えてない口腔内をガーゼで拭う時のようにしてください。

2.歯ブラシはあるけど水が少ない場合

コップなどの容器に少量の水を入れて歯ブラシをつけて磨きます。
最後に残った水でうがいをします。
歯ブラシが無くても、水があればうがいはしましょう!

3.義歯が入っている場合

コップなどの容器に少量の水を入れて歯ブラシをつけて磨きます。
最後に残った水でうがいをします。
歯ブラシが無くても、水があればうがいはしましょう!
定期的に外して、義歯床の内面を清潔にします。
この部分が不潔だと誤嚥性肺炎が起きやすくなります。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は、細菌が唾液や胃液と共に肺に流れ込んで生じる肺炎です。高齢者に多く発症し、再発を繰り返す特徴があります。再発を繰り返すと耐性菌が発生して抗生物質治療に抵抗性を持つため、優れた抗生物質が開発された現在でも、多くの高齢者が死亡する原因になっています。
(社団法人 日本呼吸器学会)

被災地では今なお、仮設住宅で生活を送らなくてはならず多くのストレスを抱えている方がいらっしゃると思います。日本人の死因の第4位でもある肺炎を正しく理解し歯科と医科の連携を強めることがますます重要になっていると考えられるのではないでしょうか?