歯科経営者に聴く ~第一線で活躍する院長から学ぶ~
医療法人社団 ヨコテデンタルクリニック 横手優介 理事長
歯科医院の競争時代を迎える中、前回に引き続き、医療法人社団 ヨコテデンタルクリニック 理事長 横手優介 先生に患者さんの顧客満足について、お話を伺いました。
"医療法人社団 ヨコテデンタルクリニック 横手優介 理事長
プロフィール
- 昭和41年10月26日生まれ
- 大阪歯科大学卒業
- 平成8年医療法人社団ヨコテデンタルクリニック開設
Q. つぎにCautious技術の慎重性を具体的にお話ください。
A. 前回で述べさせていた来院患者さんごとに治療計画の分析結果の記載されたファイルを用いてゆっくり時間をかけて説明し、治療方針と治療費用に同意して頂いた後、当医院では口腔外科医、補綴医、麻酔科医もちろん歯科衛生士を含む歯周病科医のそれぞれ専門医により具体的な説明と治療に入ります。 私たちの医院では複数の医師が患者さんの治療に携わっていくにあたってドクターサイドにおいてもドクターファイルがありそれぞれの計画の進行状況や専門分野のアドヴァイス、時には修正すべき治療などにおいても記載されており、お互いの医療技術の向上にも役立っております。セカンドオピニオンにより患者さんは最初戸惑いを感じているようでしたが5年以上この方針を一貫した今では大変好印象を得ているようです。技術面においてはクリニカルセミナーやオープンセミナーを院内で月1回、他院の先生方を交えて症例検討会を行っています。また最近では歯科医療にとどまらず内科医の先生や看護婦さんをお招きして全身疾患に関しての講演を依頼してより幅の広い医療知識の獲得に励んでおります。全身疾患を学び内科的見地から口腔内を診察するといろんな情報が得られ患者さんからの信頼につながると思います。
Q. 先生がお考えになられているCreative差別化とは?
A. とくに他院との競合といったことではありません。 差別化というと歯科雑誌などによく目にする他院との比較やまた経営のためのことが取り座されますが、本来医療における差別化とは決して自分よがりの経営のためでなく患者さんのためにいかに歯科医師としての能力を十分発揮させるか、一人の患者さんを満足して治療を受けていただくことができるかということだと考えています。 近隣の先生方との協力は不可欠でお互いの信頼関係がなければ当然差別化ではなく孤立化になり自然と患者さんの信頼も得られないでしょう。 患者さんひとりひとりを差別化することがキーポイントであると思います。大学で本来教育すべきところの医師としてのマナーや価値観が医療技術と同じぐらい重要であり、また私どもの医院に入局して来られる先生方がこの事に頭打ちに遭い、信頼関係が治療成績に左右されることに戸惑われます。どんなにすばらしい治療成績を上げて医師が満足しても不用意な言動ですぐに不合格の治療になってしまいます。また、信頼関係が密に確立していると多少のやり直しやトラブルも何事もなく通過できるのです。だから医療は難しくもありやりがいがあるのでしょうか。
Q. 最後に先生の今後の歯科医療に必要と考えることをお話ください。
A. 歯科医療は技術面において目まぐるしく変化向上している現在において私たちも時代に乗り遅れないように患者さんのニーズに必要な技術を当然習得し、幅の広い医療を提供しなければなりません。また、5Cをより充実させ、技術面だけでなくひとつのブランドを構築し、ストレスフリーに治療を進めていく努力に勤めなければならないと考えます。当たり前の治療を当たり前に治療する、このことが一番難しい事ですが、これが最大の目標です。これからも患者さんに信頼される歯科医院を目指して努力いたします。