歯科経営者に聴く(前編)
~第一線で活躍する理事長から学ぶ~
福岡県北九州市八幡西区は北九州市で最も人口が多い区である。その中心である黒崎は北九州市の副都心として、公共施設や商業施設が集まり、交通の要所としても栄えている。
よつば歯科はJR、筑豊電鉄の黒崎駅から徒歩12分のイオンタウン黒崎1階に入居する歯科医院である。西鉄黒崎バスセンターから路線バスも出ており、最寄りの国道東曲里町まで5分というアクセスを活かし、多くの患者さんを集めている。
今月と来月の2回にわたり、よつば歯科を分院に持つ医療法人山田歯科クリニックの山田政典理事長にお話を伺った。
医療法人 山田歯科クリニック 山田 政典 理事長
【プロフィール】
- 1961年 福岡県 生まれ
- 1991年3月 長崎大学 卒業
- 1991年4月 福岡歯科大学解剖学講座 勤務
- 1993年 ふじおか歯科 勤務
- 1995年 宮崎歯科医院 勤務
- 1996年 山田歯科クリニック 開業
- 2015年 よつば歯科 開設
【開業に至るまで】
歯科医師を目指されたきっかけについて教えてください。
私の家系には歯科医師はおろか、医療関係者もおらず、医療とは全く無縁の世界にいました。父はサラリーマンだったのですが、「お前はサラリーマンには向いていない。凝り性だし、手先もそこそこ器用だから、医療関係に進んでみたらどうか」と、私の性格などを考えてアドバイスしてくれたことがきっかけになりました。しかし、私立大学は経済的にも厳しいですし、そうなると国公立大学ですが、医学部はレベルが高いので、歯学部にしようと決めました。実家の近くに九州歯科大学があり、同じ地域に先生方や学生さんが住んでいたのを幼い頃から診ていたので、何となく馴染みもありました。私が通っていた中学や高校から歯学部に行く人も多かったこともあり、歯学部を受験しましたが、近所の九州歯科大学ではなく、長崎大学に入学することになりました。
卒業後の勤務先を選ばれたポイントを教えてください。
いずれは開業したいという目標があり、それに向けての準備が必要だと認識していたので、一般的な歯科医院の勤務医になろうと考えていたのですが、福岡歯科大学の解剖学の助手になっていた高校時代の同級生から「研究生として、うちに来ないか」と誘わたのです。「講座のアシスタントやアルバイトをしながら学位も取れるし、組織に属して人間関係を深め、歯科業界の見聞を広めてみるのもいいのでは」と言われ、まずはそちらにお世話になることにしました。
転職されたのはどうしてですか。
助手のポストを空けるから、大学に残らないかというお話があったのですが、私は大学にあまり興味がなかったのです。開業したい気持ちが強かったので、北九州市内の歯科医院に勤務医として就職し、開業の準備をすることにしました。
開業地をどのように選ばれたのですか。
最初は今とは違う場所で開業する予定で、土地と建物がセットになっている物件を購入し、設計などもお願いして話を進めていたのですが、銀行の融資が下りず、その話が頓挫したのです。設計料を70万円ぐらい取られ、全てが水の泡になってしまいました。仕切り直しになった結果、今の物件を紹介してもらいました。その物件があった遠賀郡岡垣町は福岡市と北九州市の間にあり、将来的にも人口増加が見込まれていました。実家にも割と近く、「ここだ」という直感がありましたね。私自身との相性も良さそうな地域だったため、今の場所に決めました。
設計やデザインの工夫をお聞かせください。
設計やデザインは業者に任せました。
分院であるよつば歯科の開設についてはいかがですか。
分院のよつば歯科はイオンタウン黒崎の1階にテナントとして開設することにしました。患者さんのニーズや利便性を考慮して、この場所を選びました。