歯科経営者に聴く(前編)
~第一線で活躍する理事長から学ぶ~
よこい歯科クリニック 横井 友一 院長
【プロフィール】
- 1980年愛知県 生まれ
- 2004年愛知学院大学歯学部歯学科 卒業
- 2004年アサノ歯科 勤務
- 2005年今枝歯科医院 勤務
- 2010年よこい歯科クリニック 開業
開業に至るまで
歯科医師を目指されたきっかけについて教えてください。
父親が歯科医だったのですが、私が高校生の時に亡くなりました。
父親から歯科医になれとは言われませんでしたし、歯科医という仕事をあまり好きではありませんでした。
しかし、歯科医として働く父の姿を思い出すうちに、いつしか自分も歯科医として成功しててみたいなと思いはじめ、歯科医を目指すようになりました。
それでは お父様の後姿を観てというのが大きいでしょうか?
そうですね。それが一番大きいですね。
歯科大卒業後の勤務先を選ばれたポイントを教えてください。また、そこでどんなことを学ばれましたか?
将来的に大学に残るのではなく開業したいという思いがあり、最初に働く医院としては、自分が将来目指している患者さん中心でいろんな先生が診療している歯科医院で働くのが一番の近道・参考になると思っていました。
一件目の勤務先はしっかりとした歯科医院で、丁寧な治療をしており大変勉強になったのですが、私自身が未熟だったこともあり、なかなか治療をやらせてもらえませんでした。1年を少し過ぎたところで自分が治療を進めていくイメージが持てなくなり退職させて頂きました。
次に働く勤務先は、未熟ながらでも少しずつ手技を教えてもらえる歯科医院を選びました。
私としては、自費治療を中心に行うつもりはなく、保険診療が中心で自費を求められたらしっかりやっていく形をとりたいと思っていました。自費診療も矯正やインプラントなど多種多様なニーズがありますので、それらも勉強ができるような歯科医院を探しました。
お考え通りに技術は身につきましたか?
一件目のところはすごく勉強になりましたが、実際自分ができるようになるかというと、働くにつれて少しずつ自信がなくなっていきました。
ここでこのまま働いても自分の技術が上達するには時間がかかると思いました。また、実際やらせてもらえないと技術もアップしていかないと思い転職を決意しました。
次の歯科医院は、未熟ながらも治療をまかせていただき、保険も自費もいろいろな事が身につきました。
6年で開業できましたので、早い方かと思っています。
開業しようと決断した時期 いきさつはどんなことでしょうか。
私の中で、開業は後2年後ぐらいかと思い、土地探しを始めました。
両親とも亡くなっており、実家を継いだというか…住むところが決まっていたので、そこから通える範囲内で良い土地を探していました。生まれ育った地元で良い土地が見つかったのが一番大きいです。
どれだけ探しても、開業場所が見つからない方は多いと思います。私の場合、思い描いていた場所と金銭的な条件などがピタリと合いましたので、ここで開業しようと決断しました。
開業の経緯(開業に至るまで)を教えて下さい。
開設場所・医院の設計・デザインなどにこだわり 、チェアーは最大でも5台、ドクター2人ぐらいと衛生士さん3~4人ぐらい、助手さんを何人かでやってくことを当初の目標にしていました。
ニーズとしては地域的に保険診療がメインになりますが、自費も矯正のニーズがあるだろうと思い、自分が出来る範囲で治療していこうと考えていました。
患者さんが望まれてる時に「うちではできません」と言いたくない。という思いがあり、その中で患者さんが望む治療ができる医院にしたいと考えていました。
診療中、バタバタしているのを患者さんに感じさせるのは良くないと思い半個室的な感じを望み、それはとても良かったと思っています。
場所も郊外なので、車で来る人も多数いらっしゃると考え駐車場も少し多めに確保しました。(それでもすぐに駐車場が足りなくなって借りたり、土地を買って広げたりしましたが…)
完成した医院は、おおまかなところは思い通りでしたが、やはり不満もあり、こうしておけば良かったと思う事はありましたが、その時は十分に考えて決めたことなので納得していました。
当初ドクター2人で診察していましたが、3人の方が治療も安定しますし、ドクター2人だと1人いなくなった時の影響がすごく大きかったのです。また、ドクターが多い方が採用にも有利かと考えて、2年程前に増築しました。
開業時の不満点を考慮しながら、チェアーを2台増やし、スタッフルームと技工室も作りました。
増築で理想の医院運営に近づけましたか?
そうですね。
増築と駐車場の確保、スタッフルーム・技工室などの整備等、現在やりたい事は十分叶えられたと感じています。