H16年3月 | 関西女子短期大学 卒業 |
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H16年4月~H21年3月 | 辰野歯科医院 |
H21年6月~H25年4月 | デンタルクリニックデコール |
3年間 海外留学 | |
H29年5月~ | なごみデンタルクリニック(ベトナム) |
Q. 1
大阪の短期大学の衛生士コースを卒業して13年になります。
Q. 2
卒業後、大阪市にある「辰野歯科医院」で5年間勤務しました。
公私共にお世話になっている先生や先輩衛生士の方々から、歯科衛生士の基本となる業務からホスピタリティーなど今もベースになるたくさんの事を学びました。
そこで自分のやりたい事がある程度はっきりしたので、それができる「デンタルクリニックデコール(現福西歯科)」に転職しました。
デコールでは、予防・歯周病治療・ホワイトニング業務を主に行っていました。
4年間勤務した後、海外へ行くために退職。オーストラリアとニュージーランドで3年間過ごし帰国後、知人の歯科医院のオープニングスタッフとして半年お手伝いしたのち、ベトナム・ハノイの「なごみデンタルクリニック」に就職しました。
Q. 3
海外旅行が好きで、よく友人と自分たちでプランニングした旅行をしていました。
その時に旅行で来るのもいいけど、一度海外に住んでみたいと思ったのが一番初めです。
それから何年か経って英会話スクールで出会った1つ年上の友達が海外に行くという話を聞いて、まだ私も遅くない!! と思ったのが実際行動を起こしたきっかけでした。
Q. 4
日本に帰国する予定で就職先を探している時に、たまたま「なごみデンタルクリニック」の求人を見つけたのがきっかけです。
ただその時は私もすぐに帰国できず、話は流れてしまいました。
そこから約2年後、ちょうど日本に帰国して歯科医院を探しているときに「なごみデンタルクリニック」の理事からお話を頂き、今回の赴任になりました。
Q. 5
初めての海外生活ではないというのと、5年以上前ですが一度旅行でハノイに来たことがあったので、意外と戸惑いはありませんでした。
Q. 6
はじめは快く思っていませんでした。
ただ、自分の今までやってきた衛生士としての経験と、海外で得た経験を十分に発揮できるところがこの仕事だということをしっかりと話し合いをしました。
今は応援してくれていますが、両親の理解があったからこそ赴任に対しても戸惑いや心配がなかったんだと思います。
Q. 7
何度か面談をして採用が決まってから出発までの期間は約2ヶ月でした。ただ、知人の歯科医院を手伝っていたこともあり、実際ベトナム赴任に関して積極的に行動できたのは一ヶ月足らずでした。
そのため、下見などは全くせず、「なごみデンタルクリニック」のホームページを眺めていたぐらいです。
ベトナムで働くとなると、労働ビザの他に労働許可書というものが必要になってきます。許可をもらうためのベトナム政府に提出する卒業証明書や衛生士免許など書類を用意するのに意外と手間取りました。
また、ベトナムで生活する上で必要な予防接種も何度も受けなければならず、準備が整った時はもう出発まで1週間ぐらいだったと思います。
Q. 8
今は医院が用意してくれたアパートメントに住んでいます。
Q. 9
はっきりとしたことは分かりませんが、歯科衛生士という資格がある国ではその国の衛生士学校に行って資格を取り直さないといけないと思います。
実はベトナムでは歯科衛生士という資格はないので、歯科専門のナースが日本で言う歯科衛生士の仕事をしています。
Q. 10
来る前から予想はしていましたが、思ったとおり発展途上国でした。
ただ、なごみデンタルクリニックは駐在員が多く住むアパートメントや企業が入るオフィスビルのある新しい商業施設の中にあるので、医院自体は日本と同じむしろ日本の歯科医院よりもラグジュアリーです。
Q. 11
新しいビルも建ってきていますが、その一角からでるとまだまだお世辞にもきれいとは言えません。
ただ、場所にもよりますがベトナムらしい建物であったり、古くても情緒あふれるところもたくさんあります。
治安は日本よりいいと思います。ただ、どこの国でも言えますがスリ、ひったくりなど自分の不注意が原因でトラブルにあうことはもちろんあります。
それよりも交通ルールが良くないので、事故にあわないように歩道を歩く時でさえ周りに気をつけないといけません。
Q. 12
今回私の場合は、到着したその日に理事と医院に行き、そのまま仕事が始まりました。
翌日からは通常通りの勤務です。
生活に慣れるには数週間かかりましたが、生活に必要な物は医院のまわりでほとんど揃うので、それほど困りはしませんでした。
Q. 13
採用が決まってから、「なごみデンタルクリニック」のベトナム人スタッフが主にフォローしてくれました。メールのやり取りで、どのような書類が必要なのか、入国するまでにしなければいけない事など、分からないことは何度も質問して全て教えてくれました。
ハノイに行く時は、関空から理事が一緒に行ってくれました。
Q. 14
常勤のスタッフは歯科医師、ナース2人、会計担当、受付、私の6人です。
歯科医師と私以外は全員ベトナム人です。
矯正担当のベトナム人歯科医師も週に数回来ます。
Q. 15
日本語がすこし話せるベトナム人受付がいますが、クリニックでのスタッフ間の会話は、英語になります。
日本人が経営しているレストランや外国人がよく訪れる場所では、少しの日本語や英語で会話ができますが、他の場所では、思っていた以上に英語が通じません。なので、数字など簡単なベトナム語ができなければ意外と不便です。
Q. 16
ベトナムで働くには、労働許可書というものが必要で、許可をもらうには一定期間の実務経験が必要ですが、それ以外は特に特別なものはなかったです。
実際の手続きは、すべてベトナム人スタッフがしてくれたので、私は必要な書類を用意したぐらいです。
Q. 17
今はクリニックの近くのサービスアパートメントに住んでいます。家具などもすべて整っていて、自分の荷物だけですぐに生活が始められます。2ベッドルームで1人暮らしには十分な広さです。
週に何度か掃除もしてくれるので助かります。
Q. 18
毎朝、診療開始20分前には出勤し、メールや着信をチェックしながら、診療の準備をします。診療時間内は日本と同じように予防処置・歯周病治療をしたり、先生の手伝いをします。
主にアシスタント業務はベトナム人ナースがしてくれるので、私のメインの仕事は、スケーリングやホワイトニング、受付業務あと予約が入っていない時は保険書類の用意などのペーパーワークです。
月に一度日本からインプラント専門医が来るので、スムーズにオペが出来るよう患者さんに説明したり、専門医と打ち合わせをするのも大切な仕事です。
ベトナム人矯正医と患者さんの通訳などもします。土日は患者さんが多いので、1日20-30人ぐらいですが、平日はゆったりとした診療です。
Q. 19
当院にある歯科機器は日本で使っているものと同じものもありますが、やはりベトナムでなかなか手に入りにくいものもあります。
特に私が一番気になるのは超音波スケーラーです。日本ではすごく使いやすい物が色々とありますが、ベトナムでは先の太いチップがひとつあるだけです。
パワーの調整もうまくできず、ハンドスケーラーが無ければ、歯間部もアプローチできません。
あとは健康保険制度が無く完全に自費治療になるので、悪いところだけ治療してほしいと思われる方が多く、なかなか歯周病治療やプラークコントロールの徹底などが難しく感じます。
Q. 20
外で食べる時もありますが、だいたいはお弁当を持って来てスタッフと一緒に食べます。月に1回スタッフランチとして、みんなで外に食べに行きます。
日本のようなコンビ二はまだハノイにはあまりないので、お弁当みたいなものが欲しければ、レストランで持ち帰り用で頼むような感じになります。
Q. 21
診療時間は曜日により違いますが、早ければ6時に終わります。家族がいるベトナム人は、まっすぐ家に帰り、家族との時間を楽しみます。
まだ小さい子供が9時10時を過ぎても外で遊んでいることにびっくりしましたが、昼間働いていると子供と遊べなので、夜遅くまで子供と一緒にいるのが普通のことのようです。
ベトナム人はみんな家族をすごく大切にしています。
私はジムに行ったり、友達と食事に行ったり、家でゆっくりしたりと生活範囲がそれほど広くないからか、日本の生活より仕事が終わった後の時間が充実しています。
ただ、レストランは意外と閉まるのが早いので、帰宅時間は日本にいる時よりも早くなった気がします。
Q. 22
木曜日が休みで、火曜日午前・日曜日午後も休みです。
ネットで見つけたおいしいローカルのベトナム料理を食べに行ったり、1人でブラブラと街歩きによくいきます。
仕事の後はなかなかゆっくり出かけられないので、休みの日は普段行かない少し家から離れたスーパーに買出しにいったりもします。
Q. 23
ベトナムに来た当初は、どこで何を買っていいのか分からずほとんど外食でした。
家の近くにあるローカルのお店で、まったく言葉が通じないのと、メニューを見てもまったく分からないのでおいしくない物も食べました・・・(笑)今は自炊です。
海外に出てから料理をするようになったので、日本食はあまり得意じゃないです・・・
Q. 24
米粉でできた麺を炭火焼きの豚肉とハンバーグが入っているスープにつけて食べるブンチャーというのがお気に入りです。
フォーもハノイの食べ物で有名です。チャカという魚のすり身料理もあるそうですが、まだ食べたことはないです。
Q. 25
ベトナム人はセルフィーがすごい好きで、いつでもどこでも景色よりも自分を撮っています(笑)
ファッションやメイクにもみんな興味を持って、特に日本製の物が人気があるようです。
たまに医院でメイクをしていると、それはどこのブランドでどこで買ったの?!と真剣に聞かれます。
Q. 26
国で決められた祝日は年間で10日ぐらいです。
中国の旧正月にあたるテトという期間がお正月になるので、そこに5日ほど、あとの5日は連休ではないので、日本の連休の多さがうらやましいです。
Q. 27
ハノイに来て、4ヶ月ほどでまだ一度も帰っていません。テト休暇に一時帰国する予定です。
Q. 28
2年間はハノイにいる予定です。
Q. 29
もちろんしたいです。
でもタイミングだと思うので、いい人がいれば是非(笑)
Q. 30
1人の患者さんと向き合う時間をしっかりと持ち、初診時のコンサルからメインテナンスまで主体となって進めていけるような仕事をしたい思っています。
そのためには技術も必要ですが、それ以上に患者さんとドクターに認めてもらえるような幅広い知識とコミュニケーション能力が重要になってくると思います。
少しでも自分の思い描く仕事が出来るように、今与えられたすばらしい環境を大切にしながら、進んでいきたいです。
あと、チャンスがあればベトナムで何か新しいことができればなと思います。
Q. 31
なんとなく海外に行きたいという思いだけでは、慣れない環境でつらい思いをして、何も吸収できずに終わってしまいます。しっかりと目的をもって進むことがとても大切だということを自分でも実感しています。
海外で衛生士として働きたいと思う人もいるかと思います。ある程度語学も必要ですが、それ以上に限られた環境でいろいろな事に対応できる能力・基礎をしっかりと固めておくと必ず役に立つと思います。