歯科経営者に聴く ~第一線で活躍する院長から学ぶ~

後編/山田歯科 山田一夫 院長

今月は、先月ご紹介頂いた「咬合治療」について詳しくお伝えする。

山田歯科 山田一夫 院長

山田歯科 山田一夫 院長

プロフィール

  • 1962年 大阪府箕面市生まれ
  • 1989年 広島大学歯学部卒業
  • 1989年 小室歯科(大阪市)勤務
  • 1993年 山田歯科(大阪府堺市)開業、現在に至る

1.咬合治療とは

「噛み合わせ」は下顎の歯が上顎の歯に対して、どのような位置に噛み込んでいるかを診る。噛み合わせの問題には以下の(A)、(B)が複雑に関係する。

  • (A)「噛み合わせ」の「ゆがみ」が原因で全身に様々な症状や病気を引き起こす。
  • (B)全身の「ゆがみ」が原因で噛み合わせを悪くする。

(A)に関しては従来からレントゲンでは分からないことを「咬合調整」などで診察されてきたが、山田先生が力を入れている部分は(B)の考え方である。

噛み合わせの治療では全身の問題を切り離して考えることはできない。したがって噛み合わせを良くした結果、全身の様々な症状が改善される。

2.噛み合わせが原因で起こる症状について

噛み合わせが悪いと、様々な症状を引き起こし、またその症状は身体だけでなく、心にも深く影響している。

(ア)口腔における症状
  • 虫歯でもないのに歯が痛む
  • 噛みにくくなった
  • 歯ぎしりするようになった
  • 大きく口を開くと顎の関節が痛む ・・顎関節症
  • 口を開くのがスムーズに動かない ・・顎関節症
  • 口を開け閉めするときに音が鳴る ・・顎関節症
(イ)口腔以外に現れる症状や病気
  • ◆整形外科領域
    肩こり、首の痛み、顎の傾斜、関節痛、腰痛、神経痛、腱鞘炎、椎間板ヘルニア、股関節脱臼など
  • ◆呼吸器系の領域
    気管支炎、喘息、動悸、頻脈、咳、呼吸困難など
  • ◆一般内科の領域
    胃炎、胃潰瘍、腎臓、肝臓の炎症、頭痛、吐き気、痛風、糖尿など
  • ◆循環器系の領域
    狭心症様の症状、突発性頻脈、不整脈、高血圧、苦悶症など
  • ◆精神科系の領域
    イライラ、不眠、そううつ症、神経症、心身症、自律神経失調症など
  • ◆婦人科系の領域
    生理不順、更年期障害、不妊症、子宮筋腫など
  • ◆耳鼻咽喉科系の領域
    めまい、メニエール病、鼻づまり、蓄膿症、花粉症、難聴、扁桃腺炎など
  • ◆泌尿器科系の領域
    膀胱炎、痔、頻尿、夜尿症など
  • ◆皮膚科系の領域
    アレルギー性皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、多汗症、蕁麻疹など
  • ◆眼科系の領域
    目が疲れる、目やにがよく出る、白内障、結膜炎など
  • ◆その他の領域
    つまづきやすい、慢性の倦怠感、疲れやすい、手足が冷える、まっすぐ歩けない、飛蚊症、立ちくらみ、吃音、過食症、暴力など


山田先生は上記のような症状に関して、まず専門科の受診を勧めている。それでも原因が分からないもの、投薬に頼るしかないうえ痛み止めの注射に嫌悪感を示す患者さんに対して、噛み合わせをチェックしている。

例えば「腰痛」の場合、「噛み合わせ」の「ひずみ」が原因で重心バランスが崩れ、脊椎に「ひずみ」を引き起こしているケースがよくある。また口腔の問題が「頭蓋仙骨システム」にトラブルを起こし、それから骨格、筋肉、内臓、免疫などに不調を引き起こす場合もある。頭蓋骨が動くと、仙骨も一緒に動く。当然、頭蓋骨の動きを妨げるものがあると、仙骨も動くことが不可能になる。歯は頭蓋骨に直結しているが、レントゲンではその側面しか写らない。そこでアプライドキネシオロジーを用いて、情報を得ることが必要になる。重心バランスを整えることで、いい噛み合わせが実現できる。

アプライドキネシオロジーとは筋肉の機能を応用した治療法である。触診により各筋肉の緊張度を評価・診断し、緊張した筋肉を緩め、弛緩した筋肉を強めることにより体全体のバランスを整える方法である。
山田先生は語る。

「私も最初は半信半疑でしたが、実際に治療を受けると、数年来の腰痛の症状が緩和されたんですね。そこから学び始め、徐々に発展的な内容になっていきました。」

3.重心バランス軸調整療法

人体は骨が積み重なって構成された構造体である。また、その構造体を支えて安定させる機能を担っているのが骨、筋肉、人体である。

バランス軸:単独あるいはグループで重力に対してバランスを取ろうとする働きを持っているもの。(頭蓋骨、頚椎1番、頚椎2番~7番グループ、胸椎1番から3番グループ、胸椎4番~12番グループ、腰椎1番~5番グループ、仙骨~尾骨グループ)
  • バランス線:「バランス軸」の傾斜を合算した線で、側響やねじれの状態を示す。
  • 重心バランス線:「バランス線」を下方へ延長した線。
  • 重心バランス点:「重心バランス線」と地面とが接する面

重心バランス点が重心点と重なっているとき、身体は安定した正常を保っている。しかし、重心バランス点がずれるとそれに伴って、下顎の位置もずれる。したがって、正しい顎位、そして正しい噛み合わせを得るためには重心バランスを整える治療が不可欠である。
山田先生は言う。

「高くなっている歯を削るだけという従来の治療では、歯の高さを変えたに過ぎず、位置そのものはずれたままなんです。骨を動かしてみることをチャレンジといい、それからTL(テラピーロカザイゼーション)を行って、何度かチャレンジとTLを繰り返すと、重心バランスが整います。それで顎のバランスも整えられて、いい噛み合わせになります。また、ずれは前後、左右のみならず、上下にも発生します。重心の浮き沈みは意外と起きやすいものなので、注意する必要がありますね。」

4.金属アレルギーと電磁波

山田歯科体に合わない金属を歯の治療に使うと、全身がだるい、首・肩・腰のこり、便秘や生理痛、皮膚炎などの症状が現れる。特にアマルガムはほとんどの人に何らかのアレルギーを引き起こしていると考えられる。そこで山田歯科では身体に合った材質の選択のために「筋肉反射検査」を行っている。重心バランスを直す前に、アマルガムを取って他の詰め物に変えたことで症状が緩和された患者さんも多い。

(B)電磁波について
歯科治療において、口腔内の金属が電磁波を集めるアンテナ効果を発現してしまい、電磁波の人体への悪影響を増大する場合がある。そこでアマルガムからゴールドの詰め物に変えるなどしてシールド効果が発揮され、電磁波の影響を受けづらくさせるというケースもある。

「高くなっている歯を削るだけという従来の治療では、歯の高さを変えたに過ぎず、位置そのものはずれたままなんです。骨を動かしてみることをチャレンジといい、それからTL(テラピーロカザイゼーション)を行って、何度かチャレンジとTLを繰り返すと、重心バランスが整います。それで顎のバランスも整えられて、いい噛み合わせになります。また、ずれは前後、左右のみならず、上下にも発生します。重心の浮き沈みは意外と起きやすいものなので、注意する必要がありますね。」

最後に山田先生に咬合治療での遣り甲斐について伺ってみた。

「やはり症状が広く、虫歯や歯周病の治療では得られない遣り甲斐がありますね。ドクターショッピングをされている患者さんが最後に歯科に行き着いてくださるという感じでしょうか。これから裾野が広がっていくでしょうし、全身を診られる喜びに早くめぐり合えて幸せに思っています。もともとは、経営を見直す院内改革の中で始めたことですが、非常にいい結果をもたらしたと思います。」

山田歯科では歯科医師を募集している。
山田先生は「興味を持たれた方は是非見学においでください」と話している。
→山田歯科のホームページ

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