歯科経営者に聴く - ありせファミリー歯科 同前宏理事長

歯科経営者に聴く ~第一線で活躍する院長から学ぶ~

医療法人社団 ありせファミリー歯科 同前 宏 理事長

最終更新日:2019.05.14

加茂歯科クリニック 外観

神戸市西区は1970年頃から神戸市中心部のベッドタウンとして開発が進み、現在は神戸市9区内で最も人口が多い区である。
神戸市が計画した西神住宅団地、西神住宅第2団地(西神南ニュータウン)、西神工業団地、西神第2工業団地、神戸研究学園都市、神戸複合産業団地などの西神ニュータウンと呼ばれる新興地区などが存在するが、近郊農業地帯でもある。
ありせファミリー歯科はJR山陽本線、山陽電鉄本線の明石駅からバスで10分ほどの神戸市西区伊川谷町有瀬に位置する。
一般歯科のほか、小児歯科にも力を入れている歯科医院である。
今回はありせファミリー歯科の同前宏院長にお話を伺った。

むこうはら歯科医院 向原 正 院長

医療法人社団 ありせファミリー歯科 同前 宏 理事長

プロフィール

  • 2001年 岡山大学 卒業
  • 2001年 医療法人白美会 勤務
  • 2002年 玉島歯科診療所 勤務
  • 2005年 医)顕正会ビタミンA歯科 勤務
  • 2008年 医)優樹馨会らぶ歯科 勤務
  • 2009年 ありせファミリー歯科 開設
  •  
  • 【学会 他】
  • 講道館館員

開業に至るまで

歯科医師を目指されたきっかけを教えてください。

子供の頃からの夢や目標、というわけではありませんでしたが、たまたま、いろんな偶然が重なって、歯科医師という職業に就くことになりました。
親からは、自宅から通える大学に進学して欲しいと言われていたので、ちょうどいいところに母校があって、本当に良かったと思います。
歯科医師になってからの18年を振り返ってみると、結果的には、今では天職に巡り会えたと思っています。

どんな学生生活でしたか。

ごく普通な学生だったと思います。

クラブは何をされていたのですか?

歯学部には柔道部がなかったので、同じキャンパスにある医学部柔道部に所属させてもらっていました。

勤務先を選んだ理由をお聞かせください。

自分にとって成長できる環境かどうか。
それが勤務先を選ぶ時に、特に重要視していました。

その法人での勤務はいかがでしたか。

かなり細かいところまで手取り足取り丁寧に指導していただき、自信を持って治療に当たれるようになりました。
このときに出会えた指導医は治療の腕はもちろん、人格も何もかも素晴らしい歯科医師でした。まさに、世の中の方々が理想とするような歯科医師そのものでしたね。
患者さんからは絶大な人気があり、スタッフや歯科医師からも尊敬され、私の生涯の目標にしている先生です。
今でも迷う場面では「あの先生ならどうするだろう」とよく考えます。現在、当法人で採用している歯科医師教育プログラムはこのときの経験をさらに改良したものです。

勤務先で学んだことはどんなことですか。

歯科治療のことはもちろん、社会人としての心構えなど、学校や親からは教えてもらえないことを、沢山学びました。
ちょっと、仕事とは関係のない話ですが、まだ自分が20代の頃、いろいろな先輩Dr.をみていて強く印象に残ったことがありました。
それは、家庭を大切にしている先生は、幸せそうな人生を歩んでおられる、ということです。
その当時、自分も見習おうと強く思いました。
今もその気持ちは変わらないです。

開業にあたってのコンセプトやこだわりをお聞かせください。

開業する町の風景の一部として溶け込むことができるといいな、と思っていました。
目指すコンセプトは「地域の皆様から大切に思ってもらえるような歯科医院」です。

診療圏調査はされましたか?

ユニットの業者さんがやってくれました。
ある程度参考にしました。

開業のための資金面はいかがでしたか?

自己資金と借入金のバランスが大切だと思います。

経営理念

どういった経営理念をお持ちですか。

理念というわけではありませんが、自費治療に頼らなくても、安定した経営を行えるようには気をつけています。
一定の割合の自費収入がなくては経営が成り立たない運営方法だと、必要とされない患者さまに高額な治療を押し付けることにつながりかねません。
また、自費営業のノルマを課すことになれば、勤務医や従業員たちのストレスにもつながります。

診療方針

診療方針をお聞かせください。

「全ての患者さまに最高の医療を提供する」
高額な治療が最高の治療とは限りません。
その人が求めているものを求めている形で提供することが、最高の治療だと思います。
現実にはそれほど簡単な事ではありません。
しかし、常に高いレベルで結果を出そうと意識することは、患者さまのためになるだけではなく、自分自身のスキルアップにもつながると思います。

増患対策

増患対策として、どんなことをなさっていますか。

最近は特別な対策はしていませんが、新規開院当初の頃は、新聞折込広告を出したり、タウンページに広告を出したりしていました。
もう10年前の事ですから、時代は随分変わりました。

スタッフ教育

スタッフ教育について、お聞かせください。

どのスタッフも、1人1人生まれつきの性格や能力も異なっていますし、誰もが、特別な何か素晴らしい素質を、必ず1つや2つは持っているものです。
まずは、本来のその人が持っている良さがどこにあるのかを注意深く観察するようにしています。
そして、指導する際には、その長所が消えないように気をつけています。
教育や指導によって、元々持っている長所が失われてしまうのは絶対に避けなくてはいけないと思います。
また、だれかのミスは、だれかがフォローする、そんな組織であるためには、常に院長がお手本にならなくてはいけないと考えています。

新卒の歯科医師への教育についてはいかがでしょう。

新卒の先生だけが持ち合わせている、新鮮さ、若さ、情熱は、大変に優れた利点だと思います。
技術的に卓越したベテランの先生よりも、若くて一生懸命で熱心な新人Drを指名する患者さまは案外沢山おられます。
実際に、新人の先生と一緒に働かせていただくと、私の方がいろいろと気づかされることも多いですし、勉強になることが沢山あります。
指導といっても、数をこなせば身につくことは、数をこなしてもらって、自分で気づきながら修正していけるようにサポートしています。
数をこなしていくだけでは身につかないスキルについては、見学や講義形式も交えて、実際の患者さまの治っていく様子を見てもらうようにしています。
その先生の良さをまず大切にしながら、持っている能力を最大限にのびのびと発揮できる環境を作る。
もしトラブルが起きた際は、全面的にフォローした上で、そのミスを繰り返さないためにはどうしたらいいのかを一緒に考えるようにしています。

今後の展開

今後の展開をお聞かせください。

患者さまの利便性を追求するのはもちろんですが、スタッフの働きやすさも向上させていきたいと考えています。

プライベート

プライベートな時間はどのように過ごされますか?

ほとんどの時間は家族サービスです。
1人の時間は、読書している事が多いです。