歯科経営者に聴く ~第一線で活躍する院長から学ぶ~

松山インプラントクリニック 千舟デンタル 山下 正晃 院長

松山インプラントクリニック  千舟デンタル

愛愛媛県松山市にある松山城は市街中央部の勝山山頂に400年以上も美しくそびえ、松山市内のほとんどの場所から目にすることができる地域のシンボルである。
その松山城の程近くに位置し、一般歯科診療をはじめ、インプラント治療を望む患者さんが多数来院している歯科医院が「松山インプラントクリニック 千舟デンタル」である。
一般歯科診療からインプラントまで幅広く手掛ける山下院長を筆頭に、30年間に約12,000本のインプラントの治療実績を持つインプラント専門医の中平医師、日本歯科麻酔学会認定の歯科麻酔専門医の横山医師が在籍しているほか、内科医と連携して、全身管理のもとで専門性の高いチーム医療に取り組んでいる。 今月は「松山インプラントクリニック 千舟デンタル」の山下正晃院長にお話を伺った。

松山インプラントクリニック  千舟デンタル  山下 正晃 院長

松山インプラントクリニック 千舟デンタル 山下 正晃 院長

プロフィール

  • 1973年 愛媛県 生まれ
  • 2001年 鹿児島大学 卒業
  • 2001年 中平歯科 勤務/li>
  • 2002年 松山インプラントクリニック千舟デンタル 開設

【学会 他】

  • 日本顎咬合学会
▼クリックして展開▲クリックで閉じる

【開業に至るまで】

■歯科医師を目指されたきっかけ

私の周りで医療系の職に就いている人は全くいませんでした。父親は会社員でしたが、転勤が多く、小学校は2年おきに3校、中学校も2校行きました。そのため、将来、会社員にはなりたくないと考えるようになったのは自然の流れでしたね。手先はどちらかというと器用な方でしたから、中学生の頃に歯科医師になりたいと漠然と志すようになりました。幸いにも小さいときから歯が丈夫でしたので、歯科治療を受けたことがほとんどなく、歯科治療に対する嫌なイメージがなかったのも歯科医師を選択した一つの理由だと思います。

■大学・大学院時代のエピソード、現在に役立っていること

親元から離れたことをいいことに、自由な学生生活を過ごしていました。大学の出席日数はギリギリでしたし、必死に試験勉強をする夢をいまだに見ますよ(笑)。
クラブ活動はバスケットボールをずっとしていました。主将を任されていた頃は、チームをまとめる難しさ、練習メニューや試合で良い結果を出したりするためのプロセスを自分なりに考えることで、今、私たちが行っているチーム医療の原形となるものを経験したと考えています。
また、挙げればきりがないほどのアルバイトも経験しました。その中でも小学生から高校3年生までの幅広い生徒を対象にした家庭教師が今も役立っていると思います。相手に分かりやすい説明を心がける癖が身につきました。意外と小学生に教えるのは難しいですよ。私たちが当たり前と思っていることが通用しないので、一から分かりやすく教えないとついてきてくれません。これは私たちの日常でも同じです。よく使う専門用語や歯科の知識は、患者さんからすれば未知の世界です。誤解している患者さんも多くいます。分かりやすく説明できることは、信頼関係を築く第一歩です。

■勤務先を選ばれた理由、学んだこと

大学時代にはほとんど授業のなかったインプラント治療については、卒業時にはそれほど知識がありませんでしたし、特に興味もありませんでした。 しかし、地元の愛媛に戻ろうと考えていたときに見学させていただいた今治市の中平歯科で衝撃を受けました。これからの欠損補綴はインプラント治療だ、インプラントについてもっと勉強をしたいと思い、勤務させていただきました。
特に学んだことは、患者さんが望む結果を得られるよう徹底したコミュニケーションをとることと、咬合の再構築を考えた口全体の治療を行うことです。もちろん、それに対応するための技術力の向上は不可欠です。

■開業しようと決断された経緯と場所選び

松山インプラントクリニック千舟デンタル中平歯科で培ったノウハウを活かして、さらにインプラント治療に特化した歯科医院を私の地元である松山につくろうと考えました。市外や県外から来院される患者さんのことも考えると、利便性の高い地での開業は必須でした。幸い、松山市駅から徒歩3分という絶好の場所にありますので、初めて来院される方も迷うことはありません。
歯科医院の開業にあたり、立地条件は大事なポイントの一つになると思います。患者さんは虫歯治療をするために歯科医院に長期間通います。しかし、通院の交通手段が不便であると再診やリコールでの再初診の患者数が減ってしまう可能性もあります。
立地条件としては、やはり人通りが多いこと、近くにマンションや住宅地があり、人口密度が高いことなどが挙げられると思います。また帰宅や下校途中に寄ることができるよう、駅周辺に開業するのもひとつの方法かもしれません。
そして、場所によって診療内容や患者さんの層も少しずつ変わってきます。
まずは、どこの場所で開業してどんな歯科医院にするのか、売りはなんなのか、どんな患者さんをターゲットにするか、コンセプトを明確にして決断する必要があります。
また、現実的に資金面を踏まえた上で立地・物件を選定しないと、開院後、家賃や固定の出費で頭を悩ませてしまうこともあります。ただ、立地・物件がいいというだけで決めるのではなく、資金、ターゲット層などにも考慮して決めなくてはなりません。

【経営理念】

■経営理念をお聞かせください。

松山インプラントクリニック  千舟デンタル いい医療を提供するためには、まずスタッフが働きやすく、働きがいのある環境を作ることが重要です。当医院には衛生士が2人いますが、ともに開業時からのスタッフで、勤務歴10年になります。長期で勤務しているスタッフがいることで、患者さんが安心して口腔管理を任せてくださると確信しています。
当医院のコンセプトは、まず各専門分野に秀でたスタッフによるチーム医療が受けられることです。特に顎全体に渡るワンデイインプラント(all-on-4)の手術件数が平成24年で700症例超になりました。歯科麻酔医による静脈内鎮静も以前から行っており、安心安全な全身管理をしています。
また、充実したメンテナンスシステムを構築し、10年間の保証制度を確立しています。これにより、患者さんが治療終了後も安心して快適に機能できるよう徹底しています。

【診療方針】

松山インプラントクリニック  千舟デンタル 長期間、歯が抜けたまま放置していたり、歯周病が進行したりしている場合、咬合が崩壊し、単にインプラントを埋めて歯を入れるだけでは済まないことが多々あります。私たちは「木を見て森を見ず」的な治療ではなく、咬合の再構築を考えた口全体の治療を目指します。また、患者さんに満足いただける治療を行うためには、コミュニケーションが重要です。私たちは患者さんとのコミュニケーションを大切にし、お互いの共通理解の上で、治療を進めています。患者さんの望む結果が得られるまで、じっくりとお話を聞き、私たちの治療方針をご理解いただけるよう、お伝えします。

【専門医によるチーム医療】

インプラントなど口腔外科治療は、患者さんにとっては治療内容も分りにくく、怖くて避けたい分野となります。
当院では、多くの患者さんの不安を無くし、安心して治療を受けていただくために各分野の専門医が集まり、チームとして治療に取り組んでいます。
現代病と言われる糖尿病や高血圧、心臓病など持病や疾病により治療を諦める方も少なくありませんが、当院は内科医と連携して、全身管理のもと安全に手術を行っていますので、患者さんはもちろん、術者側の私たちも安心して治療を行うことができています。
12000本以上のインプラント治療の経験を持つ、インプラント専門医の中平医師、日本歯科麻酔学会認定の歯科麻酔専門医の横山医師とチームで診ることで、他院で断られるような難症例でも治療が実現しています。
また、全力で行った治療も最終的な仕上げの補綴物で、水の泡となることもありますが、これまで美しく機能的な人工歯を数多く作製してきた技工士が担当しているので、治療だけではなく、咀嚼や咬合など機能面も抜かりないようにしています。
おかげで、患者さんにもご満足頂いており、口コミで来院してくださるインプラント希望の方も増えています。

【スタッフ教育】

■スタッフ教育について、お聞かせください。

松山インプラントクリニック  千舟デンタル特に歯科医師用のマニュアルがあるわけではないのですが、一般的な保存・補綴治療の経験を積んでいきながら、さらにインプラント治療の知識を吸収していただきます。もちろん、技術的なこと以外にもコミュニケーション能力も高めていくことは必須です。
CT分析や静脈内鎮静、全身管理についても併せて身につけていくことが可能です。自身の能力の限界を自身で決めつけてしまわず、貪欲に吸収していこうという姿勢があれば、今まで見えなかった世界が必ず見えてくると確信しています。
また、診療はドクターだけでは限界があります。
歯科医院を運営していく中で、人材確保はとても必要で大変な部分となります。
特に衛生士は、女性なのでちょうど医院のやり方に慣れてきた頃に結婚・出産で退職したり、少しでも条件の良いところを求めて転職を繰り返す人も多いのが現状です。
給与や待遇を良くすることも大事かもしれませんが、それだけでは長期勤務はしてくれません。
より良い歯科医療を行うために、歯科医師にとっても患者さんにとっても大事な存在となるのはスタッフです。
スタッフみんなが長く働きやすい環境を私たち開業医が作ってあげないといけません。
これは、歯科医師・衛生士など役職関係なく、同じチームとして忘れてはならないことだと思います。

【増患対策】

ホームページが中心ですが、テレビに取り上げてもらったり、セミナーを開催することもあります。これらの活動は増患対策でもありますが、どちらかというと啓蒙活動だという位置づけで行っています。患者さんの中には口腔内に不具合を抱えながら、どういう治療法がいいのか分からず、歯科医師に治療法を任せっきりにしている人も多くいます。現在では様々な治療法がありますので、患者さんにもそれらを知っていただき、治療法を選択していただくことも、今後の歯科治療において重要なことだと考えています。
また、難症例の患者さんを他医院から紹介していただく場合も多いです。しかし、一番重要なのは、今、来院している患者さんに満足していただける治療を行うことであり、患者さんからの紹介や口コミで新規の患者さんがいらっしゃることです。そのためにも、常に安全で高品質な治療を行うことが必要不可欠であると肝に銘じています。

【今後の展開】

■今後の展開について、お聞かせください。

松山インプラントクリニック  千舟デンタル 今年9月で開業10周年を迎えることになり、治療が終了した患者さんがかなり増えてきました。それに伴い、長期経過症例も増え、特にインプラント治療の診査診断、治療、メンテナンスのノウハウは多種多様に蓄積され、確立してきました。
近い将来の目標は、ワンデイインプラント治療(all-on-4)の1,000症例突破です。また、さらに充実したメンテナンスメニューとなるよう、改善できるところは改善し、長期で安定的に機能できるようにしていきたいと思っています。インプラント治療に特化した診療体制は今後も維持していきます。

【開業に向けてのアドバイス】

■開業に向けてのアドバイスをお願いします。

松山インプラントクリニック  千舟デンタル 当医院では1本からのインプラント埋入から全顎症例まで幅広いインプラント治療を経験できるほか、歯科麻酔医による全身管理、静脈内鎮静法などの研修も受けられるようになっています。やる気さえあれば、いくらでも可能性は広がります。しかし、本人が気付かないうちに、自分の限界を低い次元に設定してしまうことが意外にあります。その姿勢で、これだけ歯科医師の過剰な時代に開業しても思ったような成功はありえないでしょう。もちろん、勤務先を転々とする勤務医にも言えることです。

【プライベート】

休日は家族で過ごすことが多いのですが、息子が水泳やサッカーなどのスポーツをしていますので、一緒にしたり、車で遠出したりします。勉強も見てやっていますが、自分の脳トレにもなっていると思えば苦になりません。最近、はまっているのは釣りと陶芸です。自分に向き合えて、集中力が高まるところがいいですね。

【プライベート】

休日は家族で過ごすことが多いのですが、息子が水泳やサッカーなどのスポーツをしていますので、一緒にしたり、車で遠出したりします。勉強も見てやっていますが、自分の脳トレにもなっていると思えば苦になりません。最近、はまっているのは釣りと陶芸です。自分に向き合えて、集中力が高まるところがいいですね。

【タイムスケジュール】

  • >松山インプラントクリニック  千舟デンタル
  • 松山インプラントクリニック 千舟デンタル