歯科経営者に聴く - 株式会社関総研 岡本典久 先生

歯科経営者に聴く ~第一線で活躍する院長から学ぶ~

株式会社関総研 岡本典久 先生

新感覚を取り入れる アドバイザー/株式会社関総研 岡本典久 先生

プロフィール

  • 株式会社関総研
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診療時間の延長だけでは・・・

株式会社 関総研新規開業が相次ぎ、歯科医院の競争は一層厳しさを増している。その結果、他院との差別化を戦略的に実施することが必須の様相を呈しており、様々な増患対策を打ち出す医院が出てきている。例えば、OLやサラリーマンが通院しやすいように、夜間9時、10時まで診療を行う歯科医院は珍しくなくなってきた。よって、診療時間を延長するだけの増患策はもう通用しない。新たな対策の模索が必要である。 そこで、最近の傾向として、歯科医院を従来の医療機関だけでなく、いわゆる「店舗」として捉えようとする動きが増えてきた。 各医院の診療コンセプトを明確に打ち出し、それに沿って建物・内装を設計し備品等のレイアウトを考える。 待合室や診察室は、患者さまの接客の場を捉え、美しいインテリア・BGM等で快適な演出を行うなど、患者さまを顧客としてお迎えする空間作りに余念がない。これらは増患を目的にしたものであるが、なかには患者さまのニーズを的確に把握しないまま施設づくりを行ってしまう例もみられる。歯科医院の役割は、あくまでも治療である、そのことを忘れてしまうと、患者さまから敬遠されてしまう可能性もあることを忘れないようにしたい。

じっくり型の空間づくり

株式会社 関総研 また、1歯科医院当たり患者数の減少という事実は、従来の「多くの患者さまを治療する」という診療スタイルを変えつつある。一昔前はカーテンによる仕切りもない、一つの診察室に数台のユニットが並び、患者さまが診察を待つという風景も見られた。 しかし、診察室は「個室」が最近の傾向である。これは患者さまのプライバシーを守り、じっくり時間をかけて診察するためである。 プライバシーの確保という観点から考えると、完全な個室が望まれるが、診察室に関しては閉鎖的な空間に抵抗を感じる患者さまも多く、一概に良いとは言えない。 このため、上部が完全オープン、周囲は1/8オープン程度のセミクローズスタイルが、競争の厳しい都市部の歯科医院で見られるようになってきている。 患者さまが歯科医院を選択する際には、「きれいか否か」という感覚的要素に左右される部分が大きく、特に20代、30代の若い層にその傾向が強い。例えば、初診で来院しても院内が「きれい」でなければ、次回はキャンセルするほどの強い影響力がある。 先生方が思っている以上に、患者さまは医院の見た目を重視している。「きれい」「癒される」「居心地がいい」「いい香り」が、施設におけるこれからのポイントである。