Dr.Fumikoのわたし的生き方

平岩裕子さんのココロ健康美人ファイル

【第7回】 気遣う心から生まれるもの

楠原史子

楠原史子(くすはら ふみこ)

  • 1977年 三重県生まれ
  • 2002年 愛知学院歯学部卒業
  • カナダ、サイモンフレーザー大学通訳翻訳コース終了
  • 開業医にて勤務する傍ら、通訳、翻訳業に携わる
  • 2008年~2010年 カナダ、ブリティッシュコロンビア大学勤務
  • 在加中ヨガインストラクターの資格を取得し、歯科関係者および患者の姿勢矯正を中心に、ヨガを教える

皆さんは「キャンドルナイト」という活動を聞いたことがありますか?

夏至と冬至の夜8時から10時の2時間、皆でいっせいに電気を消して過ごそうという試みで、日本だけでなく世界中の人々が賛同しています。
カナダにいた時も周りの大勢の人が実行していて、私も友人と集まってロウソクを灯してこの時間を過ごしました。普段電気のある生活が当たり前になってしまった自分にとって、ロウソクの灯りはとてもロマンチックで温もりがあり、いつもの友人との団欒も何か特別な時間に感じられたものです。

カナダを始め多くの国で実施されているサマータイムもまた節電のための対策で、1時間時計を進め暗くなる前に仕事を終えようということです。
もう一つカナダで経験したのが、日本では滅多に遭遇することのなかった「ストライキ」。

バスや電車やゴミ収集車など、生活に欠かせない機関がストップすることで多くの人に支障が出ました。その結果自転車が飛ぶように売れ、ゴミをなるべく増やさないように無駄な買い物を省こうとしました。

今回の震災の後、各地で節電が行われています。
今まで電気のある生活が当たり前だった私たち皆が、できるだけ電気の無駄遣いを控えたり、節電の方法を考えたりしています。必要に迫られての事ですが、この経験を通して今までいかに私たちが電気を無駄に消費していたか、そして1人1人が心がければかなりの節約ができることに気付かされました。

この心がけが、電力不足の間だけでなく、これからもずっと続けばいいですよね。
自宅でもクリニックでも、意識して不要な電気を使わないようにするだけでも節電に貢献できますし、クリニックでロウソクを灯すということはなかなか難しいと思いますが、花やグリーンを置くことで電気とはまた違った明るさが生まれます。

そして何よりスタッフの明るく優しい対応!これはどんな明るい電気よりも効果的だと思います。
この震災のニュースを見た世界の多くの人々が、日本人の思いやりや助け合い、頑張る姿に心を打たれたそうです。その心意気で、どんな時も患者さんをホッとさせられる存在でいられるようにしましょうね!